家計管理は、次の収入日までに必要なお金を確保するところから始めましょう。口座の残高、これからの支払い、日々の生活費を並べると、使える金額と見直したい支出が分かります。
家賃や医療費、家族の人数によって、お金の残り方は変わります。「手取りの何割を貯めるか」を先に決めるより、今の暮らしで無理なく続けられる予算を作るのが第一歩です。
まず、次の収入日までの支払いを確認する
通帳や銀行アプリ、カードの請求明細を開き、次の3つを書き出します。紙のメモでもスマホでも構いません。
- 生活費用の残高:生活費を払う口座の残高と手元の現金。
- 次の収入日:給与などが入る日と、受け取る予定の金額。
- それまでの支払い:家賃、カードの引き落とし、公共料金に加え、食費・交通費など暮らすために必要な金額。
たとえば、生活費用の残高が8万円、次の収入日までの引き落としが5万円なら、差額は3万円です。この3万円から食費や交通費も払うため、丸ごと自由に使えるわけではありません。
家賃や食費が足りない場合は、記録が1か月分そろうのを待たず、お住まいの地域の自立相談支援機関へ相談できます。仕事や住まい、家計の立て直しを一緒に考える窓口です。窓口の案内は厚生労働省の生活困窮者自立支援制度のページにあります。
家計簿は、続けられる方法でざっくり付ける
最初は「食費」「日用品」「交通費」「楽しみ」など、分かりやすい項目で十分です。現金払いが多ければレシートを残し、カード払いが多ければ利用明細を見ながら記録します。週に一度など、見返す日を決めると抜けを拾いやすくなります。
カードで5,000円の食材を買ったら、家計簿には食費5,000円を記録します。後日その代金が口座から引き落とされても、食費をもう一度足さないようにしましょう。アプリでは、口座からカードへの支払いを「振替」にするなどして重複を防げます。マネーフォワード MEの振替の説明にも具体例があります。
家計簿で二重に数えないことと、引き落とし日にお金を用意することは別です。カードの請求額と支払日は、最初のメモにも残しておきます。
毎月の予算に、年払いの支出も入れる
固定費:毎月の契約を並べる
家賃、通信費、保険料、サブスクなどを、金額と一緒に並べます。「ほとんど使っていない」「今のプランが利用量に合わない」と思うものに印を付けましょう。
変動費:普段の支出から予算を決める
食費や日用品費は、まず直近の実際の支出を基準にします。いきなり半分にせず、「買い物前に冷蔵庫を見る」「外食を1回だけ別の食事に変える」など、小さく試せることを選びます。
特別費:年に数回の支払いを取り分ける
年払いの保険、車検、家電の買い替え、帰省などは、支払う月だけを見ると予算からはみ出しがちです。予定額と支払う月を書き、今から少しずつ取り分けます。
たとえば、12か月後に12万円必要で、まだ積み立てがなければ、毎月1万円を別に置く計算です。あと6か月なら毎月2万円になります。支払日までの残り期間で計算しましょう。
架空の家計で、残せる金額を計算する
次は計算方法を見るための架空例です。自分の収入と支出に置き換えて使ってください。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 手取り収入 | 20万円 |
| 固定費 | 9万円 |
| 変動費 | 8万円 |
| 特別費の積立 | 1万円 |
| 残るお金 | 2万円 |
20万円-9万円-8万円-1万円で、残るのは2万円です。変動費には食費や医療費だけでなく、趣味や外食などに使う予算も含めています。この2万円から、急な出費への備えや将来のための貯蓄に回す額を決めます。
残る金額がマイナスなら、貯蓄額を決める前に、使っていない契約や支払い予定を見直しましょう。生活に必要な支出だけで収入を超えるときは、先ほどの相談窓口も利用できます。
見直しは、使っていない契約から始める
サブスクは、次の請求日と解約方法を見る
カードや携帯料金の明細から、動画、音楽、アプリなどの定期払いを探します。使っていないものは、契約先と次の請求日を調べて解約手続きへ進みましょう。
アプリを削除するだけでは解約になりません。契約したWebサイトやアプリストアなどで手続きを行い、完了の表示やメールを残します。国民生活センターも、アプリの削除と解約は別だと注意を呼びかけています。
契約先を探すところから整理したいときは、サブスクの見つけ方と解約手順を参考にしてください。
通信費は、利用量と合計料金を比べる
毎月のデータ使用量、通話料、端末代を明細で確認します。新しいプランは月額だけでなく、必要なオプションや初期費用、割引が終わった後の料金も含めて比べましょう。自宅や職場の通信環境、使いたい端末への対応も選ぶ条件です。
具体的な乗り換えは、格安SIMの料金比較と乗り換え手順で進められます。
保険は、必要な保障を残して見直す
誰のどんな費用に備えている保険かを、保険証券で確認します。保険料だけを見て解約せず、残したい保障と解約後の家計負担を整理して、保険会社などに相談しましょう。有料相談かどうか、相談後に商品提案があるかも、予約時に聞いておくと選びやすくなります。
食費や買い物は、負担の小さい方法を試す
自炊が難しい日は、冷凍食品や惣菜も使いながら、予算に収まる組み合わせを探しましょう。まとめ買いで余らせるなら量を減らすなど、節約額と手間の両方を見ます。ポイントやセールは、もともと必要だったものに使うと余分な買い物を増やさずに済みます。
家計簿アプリ3つの無料範囲と料金
銀行やカードを連携したいか、レシートを入力したいかで選ぶと、使う機能を絞れます。以下の月額は2026年9月6日に確認した料金です。Webからの契約とアプリ内決済では金額が異なり、年払いは別の料金設定です。
マネーフォワード ME:連携するサービス数で選ぶ
無料会員の連携上限は4件です。銀行やカードなどを5件以上連携したい場合は、有料のプレミアムサービスを検討します。スタンダードコースはWebのクレジットカード払いで月540円、App Store・Google Play決済で月590円です。
まず、使っている銀行やカードを書き出し、対応しているかと、必要な連携数を見てみましょう。詳細は連携上限の説明と公式料金表にあります。
Zaim:手入力とレシート読み取りから始める
無料でも、手入力、レシート読み取り、銀行・カード連携を利用できます。銀行などの情報は数日おきに自動更新されます。好きなタイミングで更新したい場合はプレミアムが選択肢になりますが、一部の金融機関は対象外です。
プレミアムはWeb経由で月440円、アプリ経由で月480円です。現金の支出を入力しながら、必要に応じて口座連携を増やす使い方ができます。無料・プレミアムの機能と料金、銀行連携の更新方法で違いを確認できます。
Moneytree:口座の動きをまとめて見る
無料の基本サービスで、銀行やカードの情報をまとめて管理できます。無料で閲覧できる明細は過去12か月分です。取得済みのそれより前の明細を見返したい場合や、カテゴリー別の予算管理などを使いたい場合は、有料のMoneytree Growが選択肢です。
GrowはWeb版で月390円、iOS・Android版で月430円です。毎月の入出金を見るのが中心なら無料版から、過去12か月より前の記録も見返したいならGrowの機能も比べましょう。詳細は無料版の閲覧期間とGrowの公式料金案内にあります。
迷ったら、まず無料で使う項目を試し、足りない機能があるときに費用と比べましょう。年払いも含めて比べたい場合は、家計簿アプリ3社の機能・料金比較にまとめています。
貯蓄は、生活費を確保してから取り分ける
今月の支払いと、年払いなどに備えるお金を確保できたら、毎月残せそうな金額を貯蓄用に分けます。入金日に自動で移す方法なら、毎回の作業を減らせます。引き落とし口座が不足しない額から始めましょう。
収入が変動する場合は、毎月同じ金額にこだわらず、支払い予定を見て調整します。急な出費に使える予備資金と、数年以内に使う予定のお金は、必要なときに取り出せる預貯金などで準備します。
そのうえで、当面使う予定のないお金を運用したいときに、NISAなどの投資を検討します。投資信託や株式は値下がりで元本を下回ることもあるため、生活費を回さず、商品の仕組みとリスクを知るところから始めましょう。金融庁の家計管理と資産形成の基礎、NISAの口座開設と積立設定の手順で整理できます。
家計管理でよくある疑問
手取り20万円なら、毎月いくら貯めればいい?
家賃や家族構成で変わるため、まず必要な支出と特別費を引いて計算します。毎月2万円を取り分けても、その後の生活費を借りることになるなら金額を下げましょう。数か月続けて余裕が残るようになったら増やす方法もあります。
家計簿は毎日付けないといけない?
毎日でなくても構いません。レシートをまとめておき、週に一度、現金とカードの記録を確認する方法もあります。アプリの自動連携を使う場合も、分類の間違いや重複を見直しましょう。
節約がつらくなったら、どうすればいい?
食事や休息に無理が出ていないか、手間のかかる節約を続けていないかを見直します。楽しみに使うお金も予算の中に置き、使っていない契約から整理しましょう。支出を減らしても生活費が足りない場合は、貯蓄を急がず地域の相談窓口へ相談してみましょう。
今日やるのは、支払いのメモと見直し1つ
まずは、次の収入日までの残高と支払い予定を書き出しましょう。そのうえで、使っていないサブスクや利用量に合わない通信プランなど、見直すものを1つ選びます。家計簿は、その結果を翌月の明細で確かめるために使うと役立ちます。

