ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨や筋肉の健康を支える栄養素です。普段の食事では魚や卵、きのこ類を取り入れ、外出の機会も確保しましょう。骨の痛みや筋力の低下が続くときは、サプリを試すより先に受診して原因を確認します。
不足するとどんな症状が出る?
ビタミンDの欠乏が進むと、子どもでは「くる病」、大人では「骨軟化症」という、骨が弱くなる病気につながります。骨軟化症では、背中や脚などの痛み、椅子から立つ・階段を上る動作の難しさ、軽い転倒での骨折などがみられます。
こうした変化があるときは、内科や整形外科で相談してください。疲れや気分の落ち込みにもさまざまな原因があります。生活に支障が出ているなら、ビタミンDだけに原因を絞らず、続いている症状を伝えましょう。
診察では、いつから何に困っているかに加え、食事、外出、持病、使っている薬やサプリを伝えると役立ちます。医師が必要と判断した場合に、ビタミンDやカルシウムの血液検査などを行います。
食事と外出の機会が少ない人は、生活を振り返る
ビタミンDは食べ物から摂るほか、皮膚に紫外線が当たることでも作られます。魚などをほとんど食べず、外出の機会も少ない生活では、補い方を考える必要があります。
高齢になると皮膚で作る力が低下します。また、腸の病気や手術によって栄養を吸収しにくい人は、食事を増やすだけでは対応できない場合があります。治療中の人は、かかりつけ医に食事や外出の状況を伝え、補充が必要かを確認しましょう。
成人の食事の目安は1日9μg
日本の2025年からの食事摂取基準では、18歳以上の男女のビタミンDの目安量は1日9μg(マイクログラム)です。日々の食生活を考えるための基準で、日光に当たる機会もあわせて考えます。サプリを使う場合は、食事やほかの製品で摂れている量も含めて確認しましょう。
成人の耐容上限量は1日100μgです。これは摂り過ぎによる健康被害を避けるための基準で、目指して摂る量ではありません。食事とサプリなどを合わせた量に注意が必要です。子どもの基準や、欠乏症を治療するときの量は別に考えます。
魚・卵・きのこを、いつもの食事に組み込む
サケやイワシなどの魚はビタミンDの供給源になります。卵黄やきのこ類にも含まれます。次のように、作りやすい料理から取り入れてみてください。
- 魚を食べる機会が少なければ、焼き魚や魚の缶詰を主菜の候補にする。
- 汁物や炒め物に、きのこを加える。
- 卵料理なども組み合わせ、同じ食材ばかりに偏らないようにする。
含まれる量は魚やきのこの種類、加工方法などで変わります。栄養成分表示がある食品は、食べる量に合わせて確認できます。骨のためにはカルシウムも必要なので、乳製品や小魚なども含め、食事全体を整えましょう。食事制限がある人は、治療中の指示に合わせて選んでください。
日光との付き合い方は、季節と肌の状態に合わせる
外出できる人は、散歩や買い物などを日常に取り入れましょう。皮膚で作られるビタミンDの量は、地域、季節、年齢、肌の状態、服装などで変わるため、「毎日何分で十分」と一律には決められません。
屋外では帽子や衣服、日焼け止めなどで皮膚を守り、強い日差しを長時間浴びることは避けます。日光で皮膚症状が出る人や、医師から遮光を指示されている人は、その指示を優先してください。外出が難しい場合は、食事で摂れているものを確認し、必要に応じて補充方法を相談できます。
サプリを使う前に、含有量と併用を確認する
食事で十分に補えない場合などに、サプリが役立つことはあります。選ぶときは、1日分に含まれるビタミンDの量と注意事項を確認しましょう。「IU」という単位の表示は、40IUが1μgに当たります。マルチビタミンやカルシウムとの配合品にもビタミンDが入っていることがあるため、複数の製品を重ねないことが大切です。
薬を使っている人は、商品名・成分量が分かる表示とお薬手帳を医師や薬剤師に見せて、併用を確認してください。子ども、妊娠・授乳中の人、腎臓や骨の病気などで治療中の人も、量や製品を自己判断で決めず相談しましょう。処方薬を市販サプリに置き換えることも避けてください。
摂り過ぎると血液中のカルシウムが増え過ぎ、吐き気、強い喉の渇き、尿の増加、腎臓への障害などにつながることがあります。サプリを使い始めて不調が出たときは使用を中止し、製品を持って受診してください。
よくある質問
ビタミンDの検査は誰でも必要ですか? 費用はいくらですか?
検査は、症状や持病、治療の必要性に応じて医師が判断します。受ける場合の保険適用や自己負担額は、診療内容と検査を行う医療機関に確認してください。
冬は毎日サプリを飲んだ方がよいですか?
地域や外出の機会、食事、年齢、病気などで補い方が変わります。普段食べているものと、すでに使っているサプリの含有量を先に確認しましょう。欠乏症と診断された人は、決められた量・期間で治療を受けてください。
カルシウムやマグネシウムも一緒に買うべきですか?
まずは、乳製品や魚、野菜、大豆製品などを組み合わせた食事を基本にします。追加のサプリが必要かは、食事で摂れている量や病状によります。骨粗しょう症などの治療では、処方された薬と栄養補充の指示に従ってください。
今日できることは、最近の食事に魚などの供給源があるか、使っているサプリで成分が重なっていないかを確かめることです。痛みや動作のしづらさが続いているなら、その状況をメモして受診につなげましょう。

