よく眠れない夜が続いたら、まず見直したいのは、眠る時間を確保できる予定と寝室の環境です。翌日に休めた感じがあるか、仕事中に眠くなるかも、今の睡眠を知る手がかりになります。
日中に居眠りしてしまうほど眠いときは、運転や危険な作業を避けてください。睡眠時間を取っても強い眠気が残る、いびきの途中で呼吸が止まると言われる場合は、内科や睡眠外来へ相談しましょう。
眠る時間と、翌日の調子を一緒に見る
成人は6時間以上を目安に、自分に必要な睡眠時間を確保します。6時間眠れば足りるという意味ではなく、必要な長さには個人差があります。朝の休養感や昼間の眠気も見ながら、夜の予定を調整してください。
たとえば、帰宅後の家事と動画視聴で就寝が遅れているなら、家事を分担する、動画を終える時刻を決める。寝床に入る時刻だけを早めるより、その前の用事を減らすと時間を作りやすくなります。
数日分の「寝床に入った時刻・起きた時刻・夜中の目覚め・翌日の眠気」をメモしてみましょう。つらい時間帯も書いておくと、受診時に状況を伝えやすくなります。
生活に取り入れたい7つの工夫
1.起床時刻を大きくずらさず、朝の光を取り入れる
普段の起床時刻を軸に予定を組み、起きたらカーテンを開けます。休日に昼近くまで眠らないと持たないなら、平日の睡眠時間が足りているかを見直すきっかけです。夜勤がある方は、勤務に合った睡眠と休息の取り方を職場の産業医などと相談してください。
2.入浴は体調に合わせて短めに
湯船に入るなら就寝の1〜2時間前を一つの目安に、熱すぎない湯でくつろぎましょう。忙しい日や体調に合わない日は、シャワーも選べます。
特に高齢の方は、湯温41℃以下、湯につかる時間は10分までが目安。脱衣所と浴室を暖め、浴槽からはゆっくり立ち上がります。食後すぐ、飲酒の影響が残るとき、睡眠薬や精神安定剤の服用後は入浴を避け、同居者がいれば入る前に声をかけて様子を見てもらってください。持病で入浴の指示がある方は、その指示に合わせます。
3.寝る前に画面から離れる時間を作る
動画やゲームは、始める前に終える時刻を決めておくと区切りをつけやすくなります。スマートフォンは枕元から少し離れた充電場所へ。必要な連絡を受けられる設定は残し、読書や静かな音楽など、気持ちが落ち着く過ごし方に切り替えましょう。
4.寝室の暑さ・寒さと、光・音を調整する
寝室は暑すぎず寒すぎない状態に。室温計を見ながらエアコンや寝具を調整し、暑い夜は冷房を活用してください。風が顔に直接当たるなら向きを変えます。
外からの光が気になるときはカーテンを閉め、照明を暗めにします。夜中にトイレへ行く通路には足元灯などを用意し、つまずく物を片付けておきましょう。音が気になる場合は、まずテレビや音楽を止める、窓を閉めるなど、音源に合わせて調整します。
枕は首が苦しくない高さ、寝具は寝返りを打ちやすいものを。購入するときは、普段の寝姿勢で試せるか、返品・交換にはどんな条件があるかを確かめて選びます。
5.夕方以降のカフェインと寝酒を見直す
コーヒーだけでなく、緑茶・紅茶・エナジードリンクにもカフェインが含まれます。夕方以降は水や麦茶などに替え、寝つきが悪い場合は飲む量と時刻を振り返りましょう。カフェインの影響を受けやすい方は、もっと早い時間から控える工夫も必要です。
お酒を飲むと寝つきやすく感じても、途中で目覚める原因になります。眠るための飲酒はやめ、寝る前の喫煙も控えましょう。
6.日中は無理のない範囲で体を動かす
買い物のついでに少し歩く、座り続けたら立って用事をするなど、生活の中で動く機会を増やします。体調に合わせて短い時間から。寝る直前の激しい運動は避け、強い疲れや痛みが出る場合は運動量を増やさず医師に相談してください。
7.眠くなったら寝床へ向かう
明日の用意を済ませ、照明を落とし、本を少し読む。自分が落ち着く流れを一つ作ってみましょう。眠れず焦りが強くなるときは、いったん寝床を離れ、安全に移動できる明るさの場所で静かに過ごし、眠気が出てから戻ります。
年齢や暮らしに合わせて調整する
小学生は9〜12時間、中学・高校生は8〜10時間が睡眠時間の目安です。登校時刻から逆算し、家族で夜の用事や画面を使う時間を調整しましょう。育児や介護で細切れにしか眠れない方は、家族や支援サービスの力を借りて、休める時間を確保することも大切です。
高齢になると眠り方は変化します。眠くないまま長時間寝床で過ごす場合は日中の過ごし方も振り返りましょう。早朝に目が覚めて困る方は、朝早い時間の強い光で起床がさらに早まる場合もあるため、光を浴びる時刻を医師に相談してください。昼間の眠気が強い場合も相談の目安です。年齢だけを理由に、必要な睡眠を削らないようにしましょう。
生活に支障があれば、記録を持って相談する
寝つけない、夜中に何度も起きる、早く目が覚める状態が続き、昼間もつらいときは受診の目安です。足がむずむずして眠れない、いびきが強い、呼吸が止まると言われた場合も相談してください。
受診時には睡眠のメモ、お薬手帳、使っている市販薬・サプリを持参すると状況を伝えやすくなります。治療中の薬の量や飲み方は医師と相談して調整します。
よくある疑問
昼寝をしてもいいですか?
昼間に眠いときは、午後の早い時間に短く休む方法があります。15分程度から試し、夜の寝つきが悪くなるなら時刻や長さを見直しましょう。十分に寝ても居眠りを繰り返す場合は、受診が必要です。
週末に長く寝たくなるのはなぜですか?
平日の睡眠不足がたまっている可能性があります。休日の休息に加え、平日にも眠る時間を増やせるよう予定を組み直してみましょう。
睡眠薬や市販の睡眠改善薬は使えますか?
処方薬は医師の指示どおりに使い、効果や翌日の眠気を診察で伝えて調整します。市販の睡眠改善薬は一時的な不眠に使う薬です。対象年齢や服用できない条件を薬剤師に確かめ、眠れない状態が続く場合は医療機関へ相談してください。
睡眠アプリの点数が低いときは?
まずは実際に眠った時間と翌日の調子を振り返りましょう。点数を上げることに追われるより、寝不足になる用事を一つ減らす方が取り組みやすいものです。つらさがある場合は、アプリの記録も相談時の補助に使えます。
まず、眠る時間を作るところから
今夜の予定を一つ減らし、寝室の暑さや明るさを調整してみましょう。翌日の眠気や疲れが続くときは、生活の工夫とあわせて医療の力も借りてください。

