「腸活」を始めたいなら、まずは便の出方と、普段の食事を見てみましょう。朝にトイレへ行く余裕をつくる、主食やおかずに食物繊維を含む食品を足すなど、日常で変えられることがあります。
ただし、腹痛や下痢、便秘が続くときは原因の確認が先です。まずは、次の受診が必要な症状がないかを確かめてください。
血便・強い腹痛・脱水の兆候は、腸活で様子を見ない
血が混じる便、黒いタール状の便、強い腹痛や続く腹痛、繰り返す嘔吐がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。便秘に加えてガスも出ない場合も、食物繊維や下剤を増やす前に受診が必要です。
下痢があり、水分が取れない、尿が少ない、強いめまいやぐったりする様子があるときも、すぐに相談しましょう。成人で下痢が2日を超えて続く、高熱がある場合も受診の目安です。妊娠中、高齢の方、免疫機能が低下している方は、早めにかかりつけ医へ連絡してください。
意図しない体重減少や、いつもと違う便通が続く場合も内科・消化器内科へ。生活を見直しても改善しないときは、数か月の継続を目標にして受診を延ばさないでください。
参考:米国NIDDKの便秘で受診したい症状、下痢と脱水の症状(英語)
最初に見るのは、回数だけでなく出しやすさ
便が硬い、出すときに痛い、強くいきむ、出た後も残った感じがする。こうしたことも、便秘を考える手がかりです。毎日の回数だけで良し悪しを決めず、普段との違いを見ます。
- 便が出た日と、おおよその形・硬さ。
- 腹痛や張り、出すときのつらさ。
- 食べたものや、生活時間の変化。
- 新しく使い始めた薬、サプリメント、健康食品。
簡単なメモで十分です。体調が悪いときは記録をそろえることより受診を優先し、分かる範囲を伝えてください。
食物繊維は、普段の食事に少しずつ足す
食物繊維は、便の量や出しやすさに関わる食品成分です。野菜だけでなく、穀類、豆、いも、きのこ、果物などから取り入れられます。急に大量に増やすとお腹が張ることがあるので、一つずつ試しましょう。
| いつもの食事 | 取り入れ方の例 |
|---|---|
| ごはん・パン | 白米の一部に麦を混ぜる、全粒粉パンを選ぶなど、主食を少し替える。 |
| おかずが少ない食事 | 豆料理や、野菜・きのこの小鉢を一つ加える。 |
| 汁物 | 野菜などの具を増やす。みそや塩は入れすぎない。 |
| 間食 | 食べやすい果物などを選ぶ。食事全体の量も見ながら取り入れる。 |
水分も食事と一緒に確認します。病気のために水分や食事の制限がある方は、医師や管理栄養士の指示を優先してください。張りや痛みが強くなる食品を無理に増やす必要はありません。
発酵食品は、食べやすさと体調に合わせて選ぶ
ヨーグルトや納豆などは、普段の食事の選択肢になります。発酵食品ならすべて同じ働きをするわけではなく、菌の種類や食品の作り方も異なります。好きな食品を、原材料や保存方法を確認しながら取り入れましょう。
乳製品でお腹が張るなど、合わないと感じる場合は無理に続けず、量や食品を見直します。アレルギーのある食品は避けてください。漬物やみそなどは塩分にも注意し、同じ食品ばかりで食事を置き換えないようにします。
ワルファリンを飲んでいる人は納豆を食べないでください。薬の働きを弱めるため、服用との間隔をあけても避ける必要があります。食事と薬の組み合わせは担当医・薬剤師へ相談しましょう。PMDAのワルファリンと納豆の説明で確認できます。
トイレの時間と、体を動かす機会をつくる
便意を感じたときに我慢せず行けるよう、朝食後などに時間の余裕をつくりましょう。出ないときに長く強くいきみ続けず、便秘がつらい場合は相談してください。
体調に合わせた散歩など、無理なく動く機会も取り入れます。決まった歩数を達成することより、生活の中で続けやすい方法を選びましょう。食事や睡眠の時間が大きく乱れているなら、一つずつ整えていきます。
薬を飲み始めてから便通が変わった場合は、処方した医師や薬剤師へ伝えてください。自分で薬を止めたり、下剤を増やし続けたりしないようにします。
参考:米国NIDDKの便秘の生活対策と治療(英語)
サプリメントは、菌の数だけで選ばない
乳酸菌などの製品は、菌の種類と細かな系統である「菌株」、使う量、対象とする症状によって研究結果が違います。菌数が多い商品や、何種類も入った商品ほど自分に合うとは限りません。
- 何に使いたいのか、その製品の説明と合っているか。
- 原材料、アレルギー、摂取目安量、使用上の注意は何か。
- 賞味期限と保存方法を守れるか。
- 一日分の費用と、定期購入の総額・解約条件はどうか。
病気の治療中や免疫機能が低下している方は、生きた菌を含むサプリを自己判断で始めず、医師へ相談してください。健康食品で体調が悪くなったら摂取を中止し、商品名と飲んだ量を伝えて相談します。
食物繊維の粉末や乳酸菌サプリを一度に何種類も加えると、体調が変わったときに原因を確かめにくくなります。便通がつらいなら、買い足す前に医師・薬剤師と対処を考えましょう。
参考:米国NIHのプロバイオティクスの効果と注意(英語)、消費者庁の健康食品利用の案内
よくある質問
どれくらい続ければ効果が出ますか?
食事を変えた内容や便通の原因で違うため、一律の日数では決められません。便の硬さや出すときのつらさを見て、改善しない場合や悪化した場合は受診しましょう。
ヨーグルトとサプリは、両方必要ですか?
両方をそろえる必要はありません。まずは食事として無理なく取り入れられるものを選び、サプリは自分の目的と注意事項に合うかで考えます。
過敏性腸症候群と言われたら、食べ物をたくさん制限しますか?
食事の調整は症状に合わせて行います。低FODMAP食は、一部の糖質を含む食品を一時的に減らし、様子を見ながら戻す方法です。医師・管理栄養士と対象食品や期間を決め、自己判断で幅広い食品を長く除くことは避けましょう。
参考:米国NIDDKの過敏性腸症候群の食事療法(英語)
小さな食事の工夫と、困ったときの相談をセットに
まずは便通の様子を見て、食事の一か所や朝の過ごし方を変えてみましょう。便が出るときのつらさやお腹の張りを見ながら、体調に合う方法を選びます。改善しない場合は、普段の食事や使っている薬も含めて相談してください。

