暑い場所にいた犬や猫の呼吸が苦しそう、ふらつく、ぐったりしているときは、涼しい場所へ移し、体を冷やし始めてすぐ動物病院に連絡してください。意識がない、けいれんしている場合も緊急です。体温測定や症状の改善を待たずに対応します。
ふだんの備えは、涼しく過ごせる室内、新鮮な水、暑さに合わせた散歩の調整から。真夏に限らず、その日の気温・湿度と犬猫の様子を見て判断しましょう。
熱中症が疑われるときの応急処置
- 運動をやめ、冷房の効いた室内や日陰へ移す。
- 水で体を冷やす。冷たい水道水など、体より冷たい水を静かにかけ、風を送ります。鼻や口に水を入れないよう注意し、猫など水を嫌がる動物には特に穏やかに行ってください。体を濡れタオルで覆わず、熱を逃がします。
- 冷やし始めたら、すぐ動物病院へ電話する。いた場所、症状、始めた冷却を伝え、受診先と搬送中の対応を確認します。近くに人がいれば、冷却と電話を分担しましょう。
- 冷房を効かせた車で受診する。可能なら同乗者が状態を見て冷却を続けます。飲み水は自分で飲める場合に用意し、口へ流し込まないでください。
犬の冷却では、ぬるい水を準備するために待つ必要はありません。英国王立獣医科大学は、手元にある体より冷たい水で早く冷やし、速やかに獣医師の助言を受けるよう案内しています。冷却方法の解説/PDSAの応急処置
見逃したくない症状
- 犬:いつもより激しいハアハアという呼吸、歩きたがらない、よだれが多い。
- 猫:口を開けて呼吸する、呼吸が速い、力が入らない。
- 犬猫共通:嘔吐、下痢、ふらつき、倒れる、反応が鈍い、けいれん。
猫の開口呼吸は、犬のような日常の体温調節と考えないでください。暑い場所にいたかにかかわらず、呼吸が苦しそうなときは直ちに動物病院へ連絡します。
鼻の短い犬猫、肥満、高齢、幼齢、厚い被毛がある場合は特に暑さに注意が必要です。心臓や呼吸器の病気がある場合は、夏の過ごし方をかかりつけ医と相談しておきましょう。犬の症状と予防/猫の症状と予防
留守番前に確認すること
- 犬猫が過ごす場所の暑さを確認する。冷房の設定温度だけでなく、日当たりや室温・湿度、呼吸や寝場所の変化も見ます。暑くなる時間帯も冷房が使えるようにします。
- 日陰と飲み水を確保する。水は新鮮なものに替え、倒した場合に備えて別の場所にも用意します。ドアを閉める前に、暑い部屋へ猫を閉じ込めていないか確認しましょう。
- 冷房が止まったときの対応を決める。帰宅できない場合に確認を頼める人や、犬猫を移せる涼しい場所を考えておきます。停電時は見守り機器も使えなくなることがあります。
冷感マットを使う場合も、室内を涼しく保つことが先です。噛み壊したり中身を飲み込んだりしないかを見て、製品の説明に沿って使ってください。
散歩・車移動は、その日の暑さで決める
散歩は涼しい時間を選び、水を持って出かけます。早朝や日没後でも蒸し暑ければ、短縮や中止を考えましょう。高齢、体調不良、呼吸に問題がある犬などは、暑い日の運動を避けます。熱い路面を無理に歩かせず、途中で呼吸や歩き方が変わったら運動をやめてください。
車には犬猫だけを残さないでください。窓を少し開けたりサンシェードを使ったりしても、車内の暑さは防ぎきれません。JAFの炎天下でのテストでも、これらの対策だけでは車内が高温になりました。JAF「真夏の車内温度」
必要な移動では、乗せる前に車内を冷やし、キャリーの中にも空気が流れるようにします。到着先でも涼しい場所を確保し、駐車場で待たせる予定を作らないようにしましょう。
水分補給と被毛の手入れ
飲み水はいつでも飲める場所へ。器や置き場所を変えるときは、いつもの水飲み場も残して様子を見ます。水を飲まない、食欲や元気が落ちているときは、暑さだけと決めつけず動物病院へ相談してください。
療法食を食べている犬猫は、フードや飲み物を変える前にかかりつけ医へ確認します。被毛の手入れは、毛玉や抜け毛を整えるところから。カットする長さは一律に決めず、犬猫の毛質や皮膚の状態に合う方法を獣医師やトリマーと相談しましょう。
よくある質問
冷やして元気に見えたら、病院へ行かなくてもよい?
熱中症が疑われたら、落ち着いて見えても獣医師に症状を伝え、受診の指示を受けてください。熱中症では体内の臓器に影響が出ることがあります。
扇風機だけで留守番させてもよい?
暑い室内では冷房で温度を下げ、扇風機は空気を動かす補助に使いましょう。涼しい場所へ移動できることと、飲み水があることも確かめてください。
体温計が手元にありません。
体温を測るために対応を遅らせず、呼吸や動きの異常と、その前にいた場所を動物病院へ伝えます。暑さで具合が悪くなったときは、先に涼しい場所へ移して冷やし始めてください。
冷却用品は何を買えばよい?
まずは飲み水を持ち歩く容器と、外出先でも使える水、冷房の使える場所を確保しましょう。マットやベストは大きさや使い方が犬猫に合うかを確かめ、嫌がる場合は外します。

