ハムスターを迎える前に、ケージを置く広さと、毎日お世話をする時間を用意しましょう。小さな体でも、走る・掘る・隠れる場所が必要です。昼に眠り、夕方から夜に活動することが多いため、夜の物音や留守中の室温も暮らしに関わってきます。
飼育用品と一緒に、ハムスターを診てもらえる動物病院と移動手段も準備します。通常の診療先と休診日・夜間の連絡先を控え、迎えた後の健診も予約しておきましょう。
迎える前に決めること
- 家で飼えるか:賃貸なら飼育条件を確かめ、家族とも世話やアレルギーの心配を話し合います。
- 1匹ずつ暮らす場所:同じケージに複数入れず、それぞれに住まいを用意します。
- 静かな置き場所:直射日光やエアコンの風が直接当たる場所を避け、昼に眠れる環境にします。夜の回し車の音が寝室に響かないかも考えておきましょう。
- 留守中のお世話:旅行や急な入院のときに、水・食事・室温・体調を毎日見られる人を決めます。
- 費用の準備:初めの用品代に加え、フード・床材・冷暖房・診療と移動の費用を見積もります。買う用品の価格と、通える病院の支払い方法を確認しましょう。ハムスターの購入・譲渡の費用と、急な通院ですぐ使えるお金も別に準備します。
寿命の目安は2~3年です。ゴールデンと、ジャンガリアンなどの小型のハムスターでは体格が違うため、成長後の大きさに合う用品を選びます。迎え先では食べているフード、年齢、これまでの体調を聞いておきましょう。
ケージと用品は、動き方に合わせて選ぶ
床面積と、潜れる床材を確保する
ケージは巣箱・回し車・水・食器を置いた後にも、床を歩ける広さが必要です。英国の動物福祉団体PDSAは、飼育案内で床面100×50cmを最低サイズとして紹介し、床材は深さ25cm以上を推奨しています。置く場所を測ってから、十分な広さと深さを取れる飼育ケースを選びましょう。
空気が通り、ふたと扉がしっかり閉まるケースを選びます。背の高い多段式より、一段の広い住まいを優先し、落ちるおそれのある高い足場は作りません。毎日の世話の後に、扉の閉め忘れも確認してください。
床材は、細かいほこりが出にくい無香料の紙製などを使います。綿状の巣材は足に絡まったり、飲み込んだりする危険があるため避けます。深く敷く場所と用品の配置を考え、重い巣箱などが潜った場所へ崩れ落ちないよう安定させてください。
回し車・巣箱・給水器をそろえる
- 回し車:足を挟む隙間がない走行面で、背中を曲げずに走れる大きさを選びます。
- 巣箱:全身を隠して休めるものを置き、出入り口が体にきつくないか見ます。
- 給水器:飲み口の高さを合わせ、水が出ることと、実際に飲めていることの両方を確かめます。
- 砂浴び容器:ハムスター用の浴び砂を入れ、汚れた部分を取り除きます。体を洗うために水へ入れる必要はありません。
食事と掃除は、毎日の観察と一緒に
主食はハムスター用ペレット(固形フード)にして、袋にある1日分の目安量から調整します。ひまわりの種などは少量のおやつに。食器が空でも巣にため込んでいることがあるため、残り方を見てから補充しましょう。
野菜は、洗ったブロッコリーなどを少量からにして、傷みやすい食べ残しは取り除きます。チョコレートやネギ類は与えないでください。
- 毎日、給水器と食器を洗い、水を新しくする。給水器は飲み口から水が出るか確認する。
- 食べ残し、ぬれた床材、トイレの汚れを取り除く。
- 便・尿の様子、食べた量、動き方をいつもと比べる。
ケージ全体の掃除は、広さや汚れ具合に合わせて行います。健康なときは、汚れていない古い床材を少し戻すと、自分のにおいが残ります。感染症などで治療中の場合は、獣医師の指示に合わせて洗浄・交換してください。
暑さ・寒さはケージのそばで確認する
アニコム損保の飼育案内では、温度18~25℃、湿度40~60%が目安として示されています。ケージ付近の温湿度計で確かめ、留守中も大きく変わらないよう冷暖房を使いましょう。窓際は日差し、床近くは冷えの影響を受けることがあるので、置き場所でも調整しましょう。幼い子や病気のある子は、診療先で温度と保温方法を相談してください。
ペット用ヒーターは製品に指定された方法で設置し、ハムスターが自分で暖かい場所から離れられる部分を残します。床の一部を温めるヒーターだけでは部屋全体は暖まりません。かじれる位置にコードが出ていないかも確認してください。
体が冷たく動かない、呼吸が分かりにくいときは、すぐ動物病院へ連絡してください。寒さによる休眠のような状態でも、ほかの病気との見分けが必要です。部屋の冷えを和らげ、移動中の保温方法を獣医師に聞きましょう。
触れ合いは、起きているときに低い位置で
迎えた直後は、まず食べたり巣から出たりする様子を静かに見ます。起きているときに少しずつ手に慣れてもらい、持ち上げるなら床に座り、両手ですくって低い位置で全身を支えます。嫌がったらケージへ戻しましょう。
急に上からつかむ、眠っているところを起こす、逃げるハムスターを追い回すと、怖がってかむことがあります。世話や掃除の後は手を洗います。子どもは抱き上げず、大人が見守りながらケージの中でやさしく触れましょう。
食べない・下痢・息苦しそうな様子は早く受診する
食欲が落ちた、お尻が下痢で汚れている、動きたがらない、呼吸が苦しそうなときは、すぐに動物病院へ連絡します。特に下痢や呼吸の異常は急に悪化することがあります。人や別の動物の薬は使わず、いつから変わったか、食事や便の様子を伝えてください。
口からピンク色の袋のようなものが出ているときも、すぐに病院へ連絡してください。頬袋が外へ出てしまった可能性があります。
毛が抜ける、しこりがある、食べ物を落とすといった変化も、病院へ連絡して診察を受けます。普段から体重と食べ方を記録しておくと、変化を伝えやすくなります。
年を取って移動しづらくなったら、水や食器へ行きやすい配置に変えます。食べづらそうなときは口や歯を診てもらい、フードの硬さや与え方を相談してください。
よくある疑問
2匹なら寂しくないですか?
家庭では1匹ずつ別のケージで飼います。同じ場所で育った個体でも、成長して争うことがあります。
日中はほとんど寝ています。起こして遊んでもいい?
昼の睡眠を大切にして、自然に起きて活動する時間に世話や触れ合いを合わせましょう。いつもの活動時間にも動かない、食欲が落ちたなどの変化があれば、すぐに動物病院へ連絡してください。
毎日の世話は何分あれば足りますか?
水・食事・汚れの手入れに加え、体調を見る時間が必要です。夕方に食事と動きを見る、朝に水と汚れを確認するなど、生活の中へ組み込みましょう。ケージ全体の掃除や通院に使える時間も取り、家族や預け先と分担を決めておきます。

