先住猫と新入り猫は、初日から同じ部屋へ入れず、新入り猫専用の部屋から生活を始めましょう。においに慣れる、姿を見る、短く対面する、と少しずつ距離を縮めます。進める目安は日数よりも、両方の猫が落ち着いて食べたり休んだりできることです。
同じ寝床で眠るほど親しくならなくても、それぞれが安心して暮らせれば大丈夫です。先住猫が隠れ続けたり、新入り猫がトイレへ行けなかったりしないよう、居場所と通り道を分けて整えます。
迎える前の準備
もう1匹を迎えるか迷っているなら、先住猫の性格や体調、別室を保てる住まいかを先に考えましょう。1匹で落ち着いて暮らしている猫に、必ず仲間を増やす必要はありません。
新入り猫の部屋には、食器、水、トイレ、隠れ場所、寝床、爪とぎを置きます。ドアや窓の閉まり方を確認し、猫が抜け出せる隙間や、ひもなどの誤飲しやすい物を片付けておきましょう。先住猫の慣れた居場所はできるだけ残します。
迎え先で分かる病歴・予防接種・検査結果を受け取り、獣医師に健康チェックと必要な感染症検査、ワクチン、寄生虫対策を相談します。先住猫に持病がある場合も、新しい猫を迎えてよいか先に相談してください。
猫免疫不全ウイルス(FIV)は主にかみ傷、猫白血病ウイルス(FeLV)は毛づくろいなどの密な接触でも広がります。一度の検査だけで判断できない場合もあるため、再検査や接触を始める時期を獣医師と決めます。においの付いた物や部屋を交換する前に、健康確認を済ませ、進め方を相談しましょう。
世話の費用も1匹ずつ増えます。食事・猫砂・予防・診療の予算に加え、別室での生活が長く続いた場合にも、食器やトイレを分けて維持できるかを考えておきましょう。留守や急な入院のときに、両方の猫の世話を頼める人・預け先も決めておきます。
顔合わせの4ステップ
1.別室で生活を始める
新入り猫が食べる、トイレを使う、寝床で休むなど、新しい部屋で落ち着くまで待ちます。先住猫ともいつものように遊び、両方に個別の世話を続けましょう。
2.においに慣れる
それぞれが使った小さな敷物などを、相手の生活場所へ置きます。猫が自分から近づいたり離れたりできる位置にし、顔へ押し付けないでください。においをかいだ後も普段どおり過ごせるなら、猫同士が出会わないよう交代で相手の部屋を探索する段階へ進めます。
3.仕切り越しに姿を見る
透明な扉や、乗り越えたり隙間を通ったりできない仕切りを使い、短く姿を見せます。子猫は狭い隙間も通るため、設置後に確認が必要です。食事や遊びは相手を気にしすぎない距離から始め、終わったらまた別々に休ませます。
4.短い時間から対面する
仕切り越しに落ち着けるようになったら、大人が見守れる時間に同じ部屋へ。猫を抱いて顔を近づけず、離れられる通り道と隠れ場所を残します。穏やかなうちに切り上げ、様子に合わせて一緒の時間を増やしましょう。留守中の同居は、見守り下で安心して過ごせるようになってからです。
にらむ、通り道をふさぐ、耳を伏せる、うなる、追い詰める様子があれば、その回は終えます。前の落ち着けていた段階へ戻し、食器や寝床の位置も見直してください。両方が落ち着いて過ごす様子を見ながら、次の対面へ進めましょう。
けんかの止め方
激しく争い始めたら、すぐに互いの姿を遮って離します。興奮した猫を抱き上げたり、間に手を入れたりすると、人もかまれる危険があります。大きな段ボールやクッションなどを安全な距離から使って視線を遮り、別々の部屋へ離します。自分がかまれそうなときは無理に近づかないでください。
叱ったり押さえ付けたりせず、静かに落ち着ける時間を取ります。猫がかまれたときは小さな傷でも動物病院へすぐに連絡し、受診してください。傷が見つからなくても、かまれた可能性や痛がる様子があれば連絡しましょう。
対面のたびに争う、以前は穏やかだったのに急に攻撃する場合も、体の不調を含めて獣医師に相談しましょう。
トイレ・食器・寝床の配置
- トイレ:猫の数+1個を目安に、離れた場所へ分散します。2匹なら3個を一か所へ並べるより、相手の前を通らず使える配置にします。汚れた砂は取り除き、清潔に保ちましょう。
- 食事:1匹ずつ安心して食べられる場所へ分けます。横取りがあるときは、食事中だけ別室にすると量も把握できます。
- 水と休憩場所:複数の場所へ置き、一方が使っていても別の場所を選べるようにします。
- 上下の移動:棚や猫用家具を安定させ、途中で相手に通せんぼされない経路を作ります。高齢猫には低い段差や床の居場所も用意します。
- 遊び:活発な猫とは個別に遊ぶ時間を取り、休みたい猫へ遊びを押し付けないようにします。
1匹がいつも隠れる、食器やトイレへ近づかなくなるなどの変化にも気を配ります。食べる量、排泄、休む場所を猫ごとにメモすると、環境を見直すときや動物病院で状況を伝えるときに役立ちます。
動物病院へ連絡する目安
食べない、急に食べる量が落ちたと気付いたら、動物病院へ連絡してください。新しい猫との緊張だけでなく、病気が隠れていることもあります。子猫や持病のある猫は特に早い対応が必要です。
トイレでいきむのに尿が出ない、または少ししか出ない、口を開けて呼吸する、息が苦しそう、ぐったりして立てないときは、すぐに動物病院へ連絡して受診します。呼吸が苦しい、倒れている場合は移動を急ぎ、可能なら向かう途中で連絡してください。猫ごとの食事や排泄の変化、症状に気付いた時刻を病院へ伝えましょう。
よくある疑問
何週間たてば一緒にできますか?
猫ごとに進み方が違います。仕切り越しでもうなるなら対面を急がず、落ち着けた段階へ戻します。緊張が続く場合は獣医師に相談し、必要に応じて猫の行動に詳しい専門家を紹介してもらいましょう。食べなくなったときは、慣れるのを待たず動物病院へ連絡します。
先住猫への接し方は?
先住猫との遊びや世話の習慣を保ちつつ、新入り猫にも個別に関わります。それぞれが落ち着いて食べられる場所と時間を確保しましょう。
追いかけ合いは、遊びですか?
互いに役割を交代し、途中で休み、体が緩んでいるなら遊びのことがあります。一方だけが逃げる、隠れる、うなる、追い詰められるときは距離を取らせてください。
毎日の健康チェック
猫の食欲・排泄・呼吸など、体調の変化を確かめるポイントも、毎日の観察に役立ちます。

