腸活を始めるなら、普段の食事に野菜や豆類を足す、朝食後にトイレの時間をつくる、日中に少し歩く。取り入れやすいことを一つ選び、お腹の調子を見ながら続けましょう。
ただし、下痢や腹痛があるときは対処が変わります。食品やサプリを増やす前に、次の受診の目安を確認してください。
下痢・血便・強い腹痛があるときは受診を
- 血便、タール状の黒い便、強い腹痛、何度も吐く:すぐに医療機関へ連絡する。
- 尿が減る、強い口の渇き、ぐったりする:脱水の可能性があるため、すぐに受診する。
- 大人で下痢が2日を超えて続く、高熱、1日に6回以上の水様便:早急に受診する。
乳幼児、高齢者、妊娠中の人、免疫が低下している人、抗菌薬を飲んでいる人は、下痢が出た段階で早めに医師へ相談してください。体重が意図せず減る、便通の変化や粘液の混じる便が続く場合も、消化器内科などで原因を調べてもらいましょう。
腸活で、まず目指したいこと
「腸活」は、食事や生活を見直してお腹の調子を整えようとする取り組みに使われる言葉です。便の出しやすさ、硬さ、腹痛や張りの有無など、自分が困っていることに目を向けると、何を変えるか決めやすくなります。
腸には多様な微生物が暮らしています。食物繊維には便のかさを増やす働きがあり、腸内細菌の栄養源になるものもあります。便通を整えるためには、こうした食品と水分、体を動かす習慣を組み合わせる方法があります。
食物繊維は、食べ慣れた献立に少しずつ足す
食物繊維は、穀類、豆類、野菜、きのこ、海藻、果物などから取れます。例えば、次の中から試しやすいものを選んでみてください。
- ご飯に少量の押し麦を混ぜる。
- いつもの副菜に、豆や野菜のおかずを加える。
- 汁物をきのこや野菜入りにして、塩分にも気を配る。
- 間食の一部を、食べやすい果物に替える。
食物繊維を増やすときは、少しずつ量を変えましょう。強い張りや痛み、下痢が出たら増量をやめ、症状に応じて受診してください。腸の病気などで食事の指示がある人は、その内容を優先します。
参考:厚生労働省の食品の取り入れ方、NIDDK「便秘のときの食事」
発酵食品は、好みと体調に合うものを
ヨーグルトや納豆などの発酵食品も、普段の食事に取り入れられます。食後にお腹がゆるくなる食品はいったん控え、下痢が続く場合は食べたものと症状を受診時に伝えましょう。味噌や漬物は塩分も取るため、量を増やすときは食事全体の塩味に注意してください。
発酵食品は製法や含まれる菌がさまざまです。特定の菌について健康への働きが確かめられた「プロバイオティクス」と、発酵食品全般は区別されます。商品に期待する働きがある場合は、対象となる人や成分、摂取量を表示で確認しましょう。
ワルファリンを飲んでいる人は納豆を食べないでください。薬の働きを弱めるため、服用との時間をあけても食べられません。薬や病気に伴う食事制限がある人は、適した食品を担当医・薬剤師に確認してください。
参考:ISAPP「発酵食品に関する合意声明」、PMDA「ワルファリンと納豆」
便秘が気になるときの生活習慣
- トイレの時間を確保する:朝食後など、落ち着いて行ける時間をつくる。便意が来たら我慢しない。
- 水分を補う:食事のときや日中に、飲みやすい水やお茶などを取る。治療で水分量を決められている人は、その量に合わせる。
- 体を動かす:体調に合う散歩などを生活に取り入れる。
- 休む時間をつくる:睡眠や休憩の時間を確保し、無理の続く予定を調整する。
こうした工夫でも便秘が改善しないときは、医療機関で相談しましょう。薬が原因になる場合もあるため、使っている薬やサプリを伝えてください。
参考:NIDDK「便秘の治療」、消費者庁「健康維持の基本と健康食品」
サプリは、困っている症状と使用条件を確かめて選ぶ
プロバイオティクスは、使う菌や目的によって研究結果が異なります。便通への働きを調べた研究もありますが、別の菌や製品で同じ効果が得られるとは限りません。
購入を考えるときは、成分と含有量、期待される働き、摂取目安量、注意事項を確かめましょう。持病がある人や薬を飲んでいる人は、利用前に担当医・薬剤師へ相談を。特に重い病気や免疫低下がある人では、プロバイオティクスにも感染などの危険があります。
サプリを飲み始めて体調が悪くなったら摂取を中止し、製品名、飲んだ量、症状が出た時期を医師へ伝えてください。
参考:米国NCCIH「プロバイオティクスの有用性と安全性」、消費者庁「機能性表示食品の利用のポイント」
よくある質問
腸活を始めたら下痢になりました。続けていい?
新しく始めたサプリは中止し、食品の増量もいったんやめましょう。下痢を「良くなる途中」と考えて待つのは避けてください。水分を取り、最初に挙げた症状や日数を目安に受診します。食べられるときは無理のない食事を取り、絶食で治そうとしないことも大切です。
抗菌薬を飲んだ後は、腸活サプリが必要?
全員にサプリが必要なわけではありません。併用を考える場合は、処方元で適した製品や必要性を確認してください。抗菌薬の服用中・服用後に下痢が出たら処方元へ連絡を。薬の中止や変更は医師の指示に従いましょう。
どのくらい続ければ、腸内環境が整う?
食事や体調によって変わります。まずは便の硬さ、出しやすさ、張りや痛みの変化を見て、無理なく続けられる習慣を探しましょう。改善しない便秘や繰り返す下痢は、医療機関で相談してください。
腸活は、普段の食事と暮らしを見直すところから。強い痛みや続く不調は受診し、自分の体調に合う工夫を選んでいきましょう。

