電気代を抑えたいときは、家電を買い替える前に、使用時間が長い家電と消し忘れを見直してみましょう。一人暮らしなら、帰宅後の冷暖房、冷蔵庫の中、洗濯の回し方など、自分の生活に合わせて変えられるところがあります。
ここでは15の工夫を紹介します。全部を一度に行う必要はありません。暑さや寒さを我慢する方法ではなく、今の暮らしで続けられそうなものを1つか2つ選んでください。
まず、電気代と「使った量」を分けて確認する
明細の「使用量」にあるkWh(キロワット時)は、使った電気の量を表す単位です。請求額が上がっていても、使用量が増えたのか、料金の単価などが変わったのかで、見直す場所は違います。
最近の明細と前年の同じ時期を比べ、請求期間の日数、在宅時間、暑さ・寒さの違いも見てみましょう。電力会社の会員ページで日別・時間帯別の使用量を見られる場合は、家電を長く使った日と照らし合わせると手がかりになります。
| 気になる状況 | まず確認すること |
|---|---|
| 冷暖房を長時間使う | フィルターの汚れ、窓からの日差し、風量設定。 |
| 留守や就寝中も家電が動く | 消し忘れか、保存・予約などに必要な運転か。 |
| 使用量はあまり変わらないのに高い | 明細の単価、料金調整、割引の終了。 |
エアコンと窓まわりでできる4つの工夫
1.設定温度だけでなく、部屋の暑さ・寒さを見る
リモコンの数字だけで決めず、過ごす場所の室温や湿度、体調に合わせて調整します。暑いのに冷房を弱めたり、必要な冷暖房を止めたりする必要はありません。
環境省も、健康を第一にエアコンを柔軟に使うよう案内しています。特に暑い室内では、節電より涼しい環境を確保してください。詳しくは環境省のクールビズ・熱中症予防の案内で確認できます。
2.フィルターの汚れを確認する
冷え方や風の出方が気になるときは、フィルターにほこりがたまっていないか確認します。掃除の前に運転を止め、外し方、洗えるかどうか、乾かし方を取扱説明書で確かめてください。
手入れの頻度は使用状況や機種で異なります。自動掃除機能があっても、手入れが必要な部分を説明書で確認しましょう。内部まで分解して掃除するのではなく、自分で扱える範囲にとどめます。
3.「風量」の自動設定を試す
冷房中に弱い風へ固定しているなら、風量の「自動」を確認してみましょう。室温に応じて風を調整する機能です。冷房・暖房を切り替える「自動運転」とは別なので、リモコンの風量設定を見ます。
ダイキンは、フィルターの手入れや風量の自動設定などをエアコンの節電情報で紹介しています。風が直接当たってつらい場合は、風向きも調整してください。
4.今あるカーテンで日差しを調整する
夏の日差しが強い時間は、カーテンやブラインドで窓からの日射を遮ります。冬は日差しが入る時間に取り込み、夜はカーテンを閉める使い分けができます。
まずは今あるものを使ってみましょう。室内機の吸込口・吹出口や、室外機の周囲を物でふさがないことも大切です。節電用のカバーなどを買う前に、空気の流れを妨げないか確認します。
冷蔵庫・冷凍庫で見直す3つの工夫
5.冷蔵室は、冷気の通り道と食品の位置を整える
冷蔵室の吹出口をふさがず、食品の間に空間を残します。「何割入れる」と一律に決めるより、機種の説明書と、冷気が通る配置を確認しましょう。
よく使う食品の位置を決め、取り出すものを考えてから扉を開けると、探す時間を短くできます。買い物前に中を見ることは、重複買いや食品を入れすぎるのを防ぐことにもつながります。
6.冷凍室は、収納の上限線を守る
すでにしっかり凍った食品は、まとめて置くと互いに保冷しやすくなります。ただし、収納ケースの上限線を越えたり、扉が閉まりにくくなるまで詰めたりしないでください。
空間を埋めるためだけに食品を買い足したり、水の入ったペットボトルを凍らせたりする必要はありません。冷蔵室との入れ方の違いや上限線は、パナソニックの冷蔵庫の省エネ案内でも説明されています。
7.作り置きは、小分けして早めに冷蔵・冷凍する
熱い鍋をそのまま冷蔵庫に入れるのではなく、浅い容器に小分けし、粗熱をできるだけ早く取って、速やかに冷蔵・冷凍します。「完全に常温になるまで」と、台所に長く置いたままにしないでください。
買ってきた要冷蔵・要冷凍の食品も早めに保存します。節電のために保存条件を変えず、食品の表示を優先しましょう。保存方法は農林水産省の冷蔵庫の使い方で確認できます。
照明・テレビの3つの工夫
8.照明を交換するときに、器具に合うLEDを検討する
電球や照明を交換する時期なら、対応するLEDの消費電力と購入費を比べてみましょう。すでにLEDを使っている部屋まで、一斉に買い替える必要はありません。
特に蛍光灯の器具にLEDランプを付ける場合、見た目や長さが同じでも使えるとは限りません。器具の点灯方式とランプの対応表示を確認し、不明なら販売店や電気工事店へ相談します。NITEのランプ交換の注意点も確認してください。賃貸の備え付け照明を交換する前には、管理会社や貸主に確認しましょう。
9.使っていない部屋の照明を消す
外出前や寝る前に、使っていない部屋の照明を確認します。玄関で靴を履く間や夜に移動するときなど、必要な明るさまで削らないようにしてください。
消し忘れが多いなら、まず「玄関に行く前に部屋を見る」など、今の動作に確認を1つ足してみましょう。人感センサー付き照明を買う場合は、器具との適合と購入費も見てから判断します。
10.テレビは見やすい明るさにし、見ないときは切る
明るさを必要以上に上げているなら、部屋に合う見やすさへ調整します。見ていないときは電源を切り、搭載されている場合は省エネ設定やオフタイマーも使えます。
例えば、パナソニックのMX800シリーズには明るさの自動調整や自動オフがあります。使える機能や作動条件は機種ごとの説明書で確かめましょう。MX800シリーズの節電機能の説明は、その一例です。
待機電力・洗濯・乾燥の使い方を整える
11.使っていない機器だけ、電源の扱いを確認する
待機電力は、機器を使っていない間に消費する電気です。長く使わない機器は、説明書で電源を切る方法と、プラグを抜いてよいかを確認します。時計や予約、録画などへの影響も見ておきましょう。
冷蔵庫など通電を続ける必要があるものまで、一律に切らないでください。
12.洗濯は、衣類とコースに合う量でまとめる
少量で何度も回しているなら、一緒に洗える衣類をまとめられないか見てみましょう。衣類の洗濯表示と、使うコースの容量を守り、汚れた衣類を無理にためたり、押し込んだりはしません。
洗濯と乾燥では上限の量が違う機種があります。例えばパナソニックの性能比較でも、洗濯・乾燥それぞれの容量と消費電力量が示されています。洗う量に合うコースを選び、容量の上限は自分の機種の説明書で確認しましょう。
13.乾燥機を使う量と、干せる場所を見直す
乾燥機に入れなくてもよい衣類は、洗濯表示、天候、干す場所に合わせて分けてみましょう。外干しが難しい日や、乾燥機が必要な生活なら、無理にやめる必要はありません。
乾燥機を使うときは、乾燥容量とコースを守り、フィルターの手入れを説明書に沿って行います。部屋干しのために除湿機などを長時間動かすなら、その電気代もかかるので、干し方だけで必ず安くなるとは限りません。
契約とタイマーを見直す2つの工夫
14.電力プランは、自分の使用量で総額を比べる
プランを比べるときは、最近の明細を用意し、同じ使用量で見積もります。基本料金と電力量料金に加え、調整額、割引の終了時期、契約期間、解約費用などを確認しましょう。
キャンペーンのある月だけでなく、特典が終わった後や使用量の多い季節も比べます。国民生活センターの電力・ガス契約の注意点も参考に、契約する会社名と料金の計算方法を確かめてから申し込んでください。
15.内蔵タイマーを使い、時間帯料金は契約を確かめる
消し忘れがある機器では、まず本体に付いているオフタイマーを確認します。洗濯の予約機能を使うなら、コースの条件や、動く時間の音にも配慮しましょう。
時間帯で単価が違う契約なら、使う時間を変えると電気代が変わる場合があります。ただし、時間をずらすだけで使用量そのものが減るわけではありません。「夜は必ず安い」と決めず、契約の時間区分と単価を確認してください。
節電額は、条件をそろえて確かめる
金額の大きさをつかむには、まず小さな計算例で考えてみましょう。消費電力が一定の10Wの照明を、1日1時間、30日間短く使うと、減る使用量は0.3kWhです。
計算は「10W × 1時間 × 30日 ÷ 1,000」。仮に1kWhを30円とすれば9円です。これは計算用に置いた単価で、現在の契約料金ではありません。実際の金額は、自分の契約の単価や料金の仕組みで変わります。
エアコンのように運転中の消費電力が変わる家電では、最大のW数を使用時間に掛けても実際の使用量にはなりません。また、同じ家電の対策ごとに見かけた節約額を足して、月の削減額にはできません。
取り組んだ内容をメモし、次の明細で使用量を確認してください。天候や在宅時間も違うため、請求額の増減だけで効果を決めず、続けやすさも一緒に振り返りましょう。
一人暮らしの節電でよくある質問
どの方法から始めるとよいですか?
長時間使っている家電を1つ選ぶか、照明やテレビの消し忘れから始めてください。冷暖房をあまり使わない人もいるため、全員に同じ家電が最優先とは限りません。冒頭の表を手がかりに、自分の生活で気になる場所を選びましょう。
家電を買い替えないと節電できませんか?
最初から買い替える必要はありません。手入れや設定、使っていない時間を先に見直せます。買い替えを検討するときは、同じ条件の消費電力量を比べ、購入・設置・処分の費用も含めて判断してください。年数だけで「買った方が得」とは決められません。
電力会社を変えると、工事や停電がありますか?
今の設備や手続きの内容によるため、申込先にメーター交換の要否と日程を確認してください。東京電力パワーグリッドは、メーターの設置状況によっては停電して交換する場合があるとスマートメーターのFAQで案内しています。工事の有無や時間は、自宅の設備を伝えて確認しましょう。
賃貸や集合住宅で契約先を変えられるか分からない場合は、管理会社にも確認してから申し込みます。
今日は、無理なく変えられる1つから
明細を見る、フィルターを確認する、食品の位置を整えるなど、買い物をせずに始められることがあります。生活に合うものを試し、使用量と負担を見ながら続けていきましょう。
電気だけでなくガス・水道も気になる場合は、光熱費の明細と使い方の見直し方も参考にしてください。

