ペットを亡くして、いつもの場所を見るたびにつらくなる。何も手につかない。今は、無理に気持ちを切り替えようとしなくてかまいません。
まずは今日の食事や休息を支えることから。できそうなことだけ選んでください。眠れない・食べられないなど生活に支障があるときは、悲しみが長引くのを待たずに相談して大丈夫です。話し相手が見つからないときには、電話・SNSで相談できる窓口もあります。
今日は、食事や家事の負担を減らすことから
ふだんどおりの生活に一度に戻そうとせず、次のうち一つだけでも、周りに頼めることを探してみてください。
- 料理がつらいなら、食べやすい物を買ってきてもらう。
- 家事や連絡ができないなら、「今日は洗濯をお願いしたい」「この連絡を代わってほしい」と具体的に頼む。
- 一人で過ごすのがつらいなら、「少し一緒にいてほしい」と伝える。
- 仕事や学校に行くのが難しいなら、休みや予定の調整を相談する。
誰かに頼むとき、悲しみを詳しく説明できなくてもかまいません。「ペットが亡くなって、今は生活のことが難しい」と短く伝えるだけでも十分です。
悲しみの大きさや、立ち直るまでの時間を比べない
ペットロスは、ペットを失ったときに感じる悲しみや喪失感を指す言葉です。泣く、ぼんやりする、怒りや後悔を感じるなど、気持ちの表れ方は人によって違います。
コーネル大学獣医学部のペットロス支援案内(英語)でも、悲しみの感じ方や経過に決まった時間割はないと説明しています。「何日たったから次の段階へ」と考える必要はありません。
泣けないことや、笑える時間があることだけで、ペットへの愛情を測ることはできません。写真を見て急につらくなる日があっても、以前より悪くなったと一人で決めつけなくて大丈夫です。
「もっとできたはず」という後悔が離れないとき
「もっと早く気づいていれば」「あのとき別の選択をしていたら」と考え続けてしまうことがあります。無理に「自分は十分やった」と納得しようとしなくてもかまいません。
治療や最期の様子でわからないことが残っているなら、落ち着いて話せるときに、かかりつけの動物病院へ説明をお願いする方法があります。聞きたいことを一つずつメモにしておくと、言葉が出にくいときにも渡せます。
- 当時の検査で、何がわかっていたのか。
- 治療やケアには、どのような選択肢があったのか。
- 今もわからないままのことは何か。
話す相手には、「答えを出してほしいのではなく、今は聞いてほしい」と伝えても大丈夫です。気持ちを書き出すなら、誰にも見せない短いメモでもかまいません。書くほどつらくなるときは、途中でやめてください。
眠れない・食べられないときは、一人で抱えない
悲しんでいることと、心身の不調を我慢することは別です。眠れない、食事がとれない、仕事や家事ができないなど困っていることがあれば、かかりつけ医や心療内科・精神科に相談してください。受診時は、ペットを亡くしたことに加え、睡眠や食事の状態を伝えると説明しやすくなります。
厚生労働省のこころの健康案内も、不調を一人で抱えず、身近な人や相談窓口へ気持ちを伝えるよう案内しています。「何か月もたってから」でなく、今困っていることを相談してかまいません。
どこに話せばよいかわからないときは、厚生労働省の「まもろうよ こころ」相談窓口一覧から、電話やSNSなど話しやすい方法を選べます。ペットロス専門の窓口ではありませんが、不安やつらさについて相談できる窓口が紹介されています。受付時間や利用条件は、選んだ窓口の案内を確認してください。
今、自分を傷つけそう・身の安全を保てないと感じるときは、一人にならず、近くの人に助けを求めてください。差し迫った危険があるときは、119番で救急を呼んでください。(消防庁の救急案内・PDF)
思い出の残し方や、新しいペットを迎える時期は急がない
写真や遺品は、今見られる範囲で
写真を一枚選ぶ、好きだったしぐさをメモする、手紙を書くなど、思い出を残す方法はさまざまです。今は見るのがつらければ、写真の整理や遺品の片づけを急ぐ必要はありません。
家族と暮らしている場合は、首輪や食器などを処分する前に、一言相談しておくと安心です。飾りたい人も、いったん目につかない場所に置きたい人もいるので、置き場所を一緒に決めてみてください。新しく供養の品を買わなくても、思い出は残せます。
新しいペットは、代わりではなく別の家族として
新しいペットを迎える時期についてのコーネル大学の案内(英語)では、誰にとっても正しい時期があるわけではないと説明しています。早く迎えたことを責める必要も、周囲に勧められて急ぐ必要もありません。
迎えるかどうかは、世話をする時間や費用、同居する家族の気持ちも含めて考えましょう。以前のペットと同じ性格や関係を求めず、新しい家族として迎えられるかを考えることが大切です。迎えないという選択もできます。
身近な人がペットを亡くしたときの声のかけ方
励ます言葉が見つからなくても、まずは話を聞くことができます。「早く元気になって」「また飼えばいい」と結論を急がず、本人が今ほしい助けを尋ねてみてください。
- 「話したいときは聞くよ。今は話したくなくても大丈夫」
- 「ごはんを買って行こうか。必要な物はある?」
- 「写真を一緒に見たい? 今日はやめておこうか?」
返事を急かしたり、亡くなったときのことを無理に聞き出したりしないようにしましょう。本人が眠れない・食べられないなど困っていたら、予約や付き添いを手伝うことも支えになります。
悲しみを消すことを今日の目標にしなくてかまいません。食事を頼む、休みの連絡をする、誰かに話す。その中から、今の自分に必要なことを一つ選んでください。

