
ひとりちゃん
買う量、使う日、保存する場所を決めるところから始めてみましょう。今ある調味料を使って味を変えるなど、続けやすい工夫も紹介します。
一人暮らしの食費を把握して、予算を決める
まず直近1か月のレシートや支払い記録から、食材、外食・惣菜、調味料、飲み物・お菓子に何円使ったかを分けます。米や油などをまとめて買った月は、残っている量もメモしておくと、翌月の買い物を考える材料になります。
この記事の2万円は、一人分・1か月の食品購入費を、自炊中心で配分してみる例です。米や調味料、外食、嗜好品も含めます。調理の光熱費や器具代は含まないため、暮らし全体の支出を見るときは別に確認してください。
たくさん食べる人、調理や保存の設備が限られる人、外で食べる機会が多い人などでは、必要な予算も変わります。2万円で十分な食事を用意できると決め付けず、買える量と調理の負担を確かめながら金額を見直しましょう。
節約額は、同じ範囲で数えた「見直し前の食費−見直し後の食費」で考えます。たとえば月3万円から2万5千円なら、差額は月5千円。その状態が12か月続いた場合の差額は6万円です。これは計算例で、実際の節約効果を約束するものではありません。
- 買う前に確認する:家にある物と食事の予定を見てリストを作る
- 調理と保存を一緒に考える:使う日や保存場所が決まる量だけ買う
- 支出と残りを振り返る:余った物を次の買い物量に反映する
節約買い物術7選
買い物は、値札を見る前の準備も大切です。次の7項目から、続けられそうなものを選んでみてください。いつも同じ店や食材が安いとは限らないので、今の価格と使い切れる量を比べます。
①食事の予定と在庫を見て、リストを作る
買い物前に冷蔵庫・冷凍庫と主食の残りを見て、自宅で食べる日を数えます。まず数日分の主な料理を決め、不足する食材と量をリストにしましょう。
週1〜2回にまとめるのは選択肢の一つです。冷蔵庫が小さい場合や予定が変わりやすい場合は、少量の買い足しでも構いません。回数より、買った物を使えるかを優先します。
②使い道の多い食材を、量と価格で選ぶ
以下は使い方の例です。決まった価格や栄養の十分さを示す一覧ではありません。内容量や1回に使う量も見て、売り場で比較してください。
- 鶏むね肉・豚こま肉:焼き物、炒め物、丼などに。献立ごとの使用量を考えて選ぶ
- 豆腐・豆類:冷奴、炒め物、汁物などに。開封後に使い切れる大きさかも見る
- 卵:卵焼き、炒め物、丼などに使い分ける。卵だけで栄養をそろえようとしない
- もやし:炒め物や汁物に。使う日を決めて必要な量を買う
- キャベツ・玉ねぎ・にんじん:複数の料理に分けて使う。丸ごとと小分けで余りそうな量を比べる
- 米・乾燥パスタ:主食の候補。袋の大きさだけでなく、残量と保存場所を確認する
③値引き品は、使う予定と期限を先に見る
値引きの時刻や割合は店と商品によって異なります。必要な品があれば、消費期限などの表示、保存方法、持ち帰る時間を確認して選びましょう。
値引きされていることを理由に予定より多く買わず、その日の食事や保存の計画に合うかを考えます。冷蔵・冷凍が必要な食品は早めに持ち帰り、帰宅後すぐに表示に合った場所へ入れます。
④大容量品は、使い切るまでを考えて比較する
業務スーパーやコストコなどで大容量品を検討するときも、他の商品と100g当たりなど同じ単位で価格を比べます。会員費や交通費などがかかる買い方では、その負担も含めて考えましょう。
総額が予算内か、保存場所があるか、使い切れるかを順に確認します。冷凍する場合も商品に合う方法を確かめ、1回分ずつ使える量に分けると取り出しやすくなります。
⑤旬や特売は、いつもの価格と比べる
よく買う数品だけ、店名・購入日・内容量・支払額をメモしておくと、次の値札を見比べる材料になります。「底値」まで待ち続ける必要はありません。
春のキャベツ、夏のトマト、冬の白菜なども、実際の価格と使い道を見て献立に取り入れます。チラシを比べるときは、店を回る時間や交通費、食品を持ち歩く時間まで含めて判断しましょう。
⑥家にある調味料で、味を変える
同じ鶏むね肉でも、塩焼き、照り焼き、カレー味などにすると、別の料理として組み合わせられます。レシピを決める前に、家にある調味料を見てみましょう。
一度しか使わない調味料を増やすより、普段使う物で作れる料理から選ぶ方法もあります。油や調味料の買い足しも食費に含め、保存方法や開封後の扱いは表示を確認してください。
⑦支出と残った食材を、週ごとに見直す
ノートやスマートフォンのメモに、購入日・品目・金額を残します。週末に予算の残りと食品の残量を見て、次に買う物を決めましょう。
たとえば「野菜を使い切れなかった」なら次は小さい袋を選ぶ、「忙しくて料理できなかった」なら惣菜も含む予定に変える、といった見直しができます。予算を超えたときは、食事の量や種類を減らす前に、買い方と予算そのものを見直します。
節約献立を組み立てる4つの工夫
献立は、予算、家にある食材、調理できる日から考えます。毎日一から作ることにこだわらず、買った惣菜や市販の冷凍食品を組み合わせる日も含めて計画しましょう。
①食事以外の買い足しも含めて配分する
2万円を30日で割ると、1日当たりは約667円です。ただし、これは外食や調味料などを含む総額を割った数字です。すべての食事を1食200〜300円で作れるという価格の保証ではありません。
以下は配分を考えるための仮の例です。実際に必要な量をこの金額で買えるかは、普段使う店で見積もってください。調理器具や食材が何もない状態なら、最初の買いそろえにも費用がかかります。
| 区分 | 仮の月額 | 含める物・確認点 |
|---|---|---|
| 自炊用の食材 | 15,000円 | 米などの主食、肉・魚・卵・豆類、野菜、乳製品、果物など |
| 外食・惣菜 | 3,000円 | 予定している外食と、料理できない日の購入分 |
| 調味料・油 | 1,000円 | 買い足す物が重なる月は配分を調整する |
| 飲み物・お菓子など | 1,000円 | 自宅用も外で買った物も数える |
| 合計 | 20,000円 | 十分な食事を用意できるか確かめ、無理なら増額する |
朝はご飯・卵料理・野菜入りのみそ汁、昼は用意できる日に弁当、夕食は主菜と副菜を組み合わせる、といった決め方ができます。これは献立の考え方の例で、1日分の必要な栄養を満たす計算済みの献立ではありません。後の栄養の項目も参考にしてください。
夕食の一部を翌日の弁当に回す場合も、その食材費はかかります。弁当は当日調理を基本にし、前日の料理は適切に冷蔵保存したものを十分に再加熱し、冷ましてから清潔な容器に詰めましょう。汁気を切り、保冷して早めに食べます。詳しくは農林水産省のお弁当づくりの注意点を確認してください。
②同じ食材を、別の料理に分けて使う
買った食材の使い道を二つほど決めておくと、残りを次の料理に回す計画が立てられます。調理済みの料理を何日も食べ続けることとは分けて考え、使う日が先の分は、その食材に合った保存をします。
- 鶏むね肉:塩焼き、照り焼き、親子丼、唐揚げなどに分けて使う
- キャベツ:野菜炒め、お好み焼き、回鍋肉、スープなどに使う
- 豆腐:麻婆豆腐、冷奴、豆腐チャンプルー、みそ汁などに使う
たとえば鶏肉を買ったら、近いうちに使う塩焼き用と、後日使うカレー用に分け、後日の分を冷凍する計画にします。玉ねぎやにんじんはカレーとスープに、キャベツは炒め物とみそ汁に分ける、といった組み方もできます。
食品の表示に従って保存し、冷凍する場合は1回分ずつ包んで品名と日付を控えます。解凍は冷蔵庫や電子レンジなど適した方法で行い、室温に長く置かないようにします。加熱する肉料理は中心まで火を通し、厚生労働省が示す目安は中心部75℃で1分間以上です。見た目だけでなく、調理用温度計や使用するレシピの加熱条件も確認しましょう。
③作り置きは、冷ます・保存する・温めるまで計画する
週末に余裕があれば、きんぴら、野菜の煮物、豚の生姜焼き、ハンバーグなど、作り慣れた料理を少量準備する方法があります。毎週2〜3時間や4〜5品と決めず、保存場所と食べる予定に合う量から始めましょう。
- 調理する前:手や器具を清潔にし、生肉・生魚の汁がそのまま食べる物や調理済みの料理に付かないようにする。
- 保存するとき:早く冷えるよう浅い容器に小分けし、粗熱をできるだけ早く取って、速やかに冷蔵・冷凍する。カレーや煮物を鍋ごと室温に放置しない。
- 食べるとき:食べる分を取り出し、全体を十分に再加熱する。電子レンジでは加熱むらにも注意する。
調理済みの食品はなるべく早く食べ切ります。冷蔵・冷凍すればいつまでも安全なわけではありません。においや見た目だけでは安全性を判断できないため、保存状況が分からない物や、少しでも異常を感じる物を無理に食べないでください。
参考:農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方」。調理が負担な日は、惣菜や市販の冷凍食品も、価格と表示を見ながら組み合わせられます。
④価格だけでなく、食事全体の組み合わせを見る
卵・豆腐・鶏肉などだけに固定せず、主食、野菜などのおかず、肉・魚・卵・大豆製品のおかずを組み合わせます。農林水産省「食事バランスガイド」の料理区分は、主食・副菜・主菜・牛乳や乳製品・果物の五つです。
たとえばご飯と卵料理に、野菜を使った副菜を合わせ、1日全体では牛乳・ヨーグルトや果物も含めて考えます。具入りのみそ汁は野菜や豆腐を使う一品にできますが、それだけで栄養が十分になるわけではありません。惣菜などを買うときは、塩分などの表示も見て組み合わせましょう。
必要な量は年齢や活動量などで異なります。予算内に収めるために食事を抜いたり、同じ少数の食品だけにしたりせず、買い物計画と予算を調整してください。食事について医療者から指示を受けている場合は、その指示を優先します。
家計をあわせて見直したいときに
よくある質問(FAQ)
- 食費2万円で栄養不足にならないか心配です
-
金額や特定の食材だけでは、栄養が足りているかは判断できません。食べる量と料理の組み合わせを確かめ、無理のある予算は見直しましょう。卵や豆腐だけに偏らず、本文の五つの料理区分を参考にできます。食事への不安が続く場合や、体調に変化がある場合は、医師や管理栄養士などに相談してください。
- 料理が苦手でも節約できますか?
-
まずは炒め物や具入りのみそ汁など、作りやすい料理を一つ選んでみましょう。慣れないうちは、その日に食べる量から始めると、調理と保存を一度に抱えずに済みます。
レシピを見るときは材料だけでなく、必要な器具、下準備、加熱の条件まで確認します。ご飯と購入した主菜に、用意できる副菜を足す方法もあります。自炊だけにそろえず、かかる費用と手間を見て組み合わせてください。
- 外食ゼロにしないといけませんか?
-
ゼロにする必要はありません。予定している外食や、忙しい日に買う惣菜の分を、最初に予算へ入れておきましょう。本文の配分例なら外食・惣菜に3,000円を確保し、残り17,000円を食材・調味料・飲み物などに振り分けます。
この金額で何回利用できるかは、店や買う物で変わります。必要な食事や人との予定を削って2万円に合わせるより、自分の生活に合う総額を考えてください。
まとめ:買う量・献立・予算を一緒に見直す
- 今の食費を、食材だけでなく外食や調味料まで含めて確認する
- 食べる予定と在庫を見て、使い切れる量をリストにする
- 値引きや大容量品は、価格・期限・保存場所を比べて選ぶ
- 食材を複数の料理に分けて使い、作り置きは保存と再加熱まで計画する
- 食事の量や種類を無理に削らず、支出と予算を定期的に見直す
月2万円は、一人分の食費を配分してみる計画例です。金額だけを目標にせず、十分に食べられること、食品を適切に扱えること、調理を続けられる負担かを確かめましょう。まずは家にある食材と、次の数日で食べる予定を書き出すところから始められます。

